ぼくとアナン

◎もうひとつの「アナン、」

アナン、(上) (講談社文庫)アナン、(下) (講談社文庫)

そう、あの日、ぼくは見ていたんだ。ひとりぼっちのタマシイが、すてられたタマシイと出会うところを。そこに、小さな光がともるのを。
「おまえに会えて、幸せだった」ナガレさんはいった。「後悔したことは、ない」
「お父さん・・・・・・」アナンの言葉は、もう言葉にならなかった。
「今までかくしてて、すまなかった。おまえを傷つけるのが、こわかったんだ」
 ナガレさんはそっと、白いモルタルのついているアナンの手をとった。そのふるえる手の中には、まるでふたりが生んだような、美しい星のタマゴがあった。
「・・・・・・おまえは、お父さんの宝だ。ずっと、どんなことがあっても、モザイクをつくりつづけていけ。おまえには、だれにも想像もできないくらい、すばらしい未来がまっている・・・・・・お父さんは、それを楽しみにしてるよ」(P306より)

◎あらすじ

ぼくをゴミ捨て場のバケツから助けてくれたのはイエナシビトのナガレさん。
ナガレさんはぼくに「バケツ」という名前を付けて、それからぼくたちは一緒に暮らし始めたんだ。
雪の降るある日、ぼくたちはいつものようにご飯を探してゴミ捨て場に行った。
そこにいたのは、なんとと一人の赤ん坊・・・
イノチっておわらない。イノチって窓の向こうに続く永遠なんだよ。すべての親とこどものための愛と希望の物語。

◎感想メモ

この本の特徴は、温かさだと思う。どこか切なくもあるんだけど。
この本は小学校か中学校か、忘れたけど、そのころ出会って大大大好きになった本。
もはや好きすぎて、アナンとかバケツとかナガレさんのことを考えるだけで胸が詰まる域ですわ(笑)
とにかく感動。ラストの切なさに胸が締め付けられて仕方なくて。児童書だけど大人も大満足できるはず。

むしろ疲れきって心が荒んでる社会人の方たちに読んでほしい。癒されてほしい。
だって、主人公のアナンはもーとっことんピュアで愛らしくてお父さん大好きっ子でさぁ…和むしょ?和みすぎるでしょ?(笑)
なのでやっぱりアナンの魅力がイコールこの本の魅力なんだと思うわけで・・・。
イエナシビト(この表現ファンタジーだよねすごく)たちを絶望の淵から救った赤ん坊、みんなの希望になった子ども・・・。
バケツと一緒にアナンの成長をみてきたから、みんながアナンを大好きになったみたいに、
わたしも自然にアナンのことが大好きになっていた。
文字からひしひしと愛情があふれ出てるから、それがこの本の温かさの源なんだろうなぁ。

なので登場人物で一等すきなのはもちろんアナンで、それがこの本のいいところでもあるんだけど、
アナンの育ての親であるナガレさんももちろん忘れちゃいけない。

無口で不精で無愛想なナガレさんが、アナンのことだけにか真剣になるのがすごいかっこよかった!
アナンがどれくらいナガレさんのことを想ってるのかちっとも分からずにアナンを置いていくところなんてさー、
アナンの方に感情移入しすぎてやばかったなー・・・ナガレの分からず屋!アナンを、アナンを一人にして・・・!みたいな(笑)
そういえば初めて号泣した本って確かこれな気がする(笑)

あとはー・・・本の中に深くもぐりこめるのも魅力なんだと思う。文字の奥に世界が見えるあの感じ?

アナンの作る吸い込まれるようなモザイク、
「夢の都」の冬の暗さとちらちらと降る雪の白、
「森の町」では「リュウのあな」の美しい幽霊たちに会えて、
「夢の島」ではアナンのための沢山の沢山の鳥たちに、リュウの住む揺らめく海の青、
「ドラゴンの湯」のすっっごい天井の高いお風呂場で、アナンが脚立にのぼってぽつんと一人で壁に向かう姿が目に浮かぶ。

「夢の島」が特に想像力をかきたてる描写がたくさんで良かったかなー。
バケツの視点で描かれる世界は全てが新鮮できらきらしてるみたい・・・ナオ、ナオ。(←読めば分かる(笑))

自分の子どもに読ませたいのはもちろん、親とか、親友とか、彼氏彼女にも読んでもらいたい。
大事な人に、大事に思う本を贈りたいと思う。知って欲しいんだよなー、こんな素敵な本の存在を。
そんでこんな豊かな愛情もあるんだって、こんな奇跡の子どももいるんだって、この温かな気持ちを共有したい。
真っ直ぐに生きられる気がするんだよー、心が綺麗になれる気がするんだよー、
きっと読んだ直後はきったない心も洗われてるに違いなくて・・・大らかな愛情と、アナンのモザイクと窓が心の洗濯機・・・。

ただ、「アナン」を読んだ後にこれを読むと、ちょっと薄っぺらい印象を受けてしまうのが難点といえば難点。
「アナン」の方でたぶん書きたいことを全部書ききって、それを子どものために編みなおしたお話だから、
そっちでは詳しく書かれていたアナンの力、アナンの窓、大人たちの持つ秘密・・・それらがごっそり削られてるんですよ。
なので「ぼくとアナン」で感銘を受けた大人(わたしは中学くらいのときに読んだけど)には「アナン」を大プッシュ。
ファンタジー臭が消える代わりにスピリチュアルな世界に突入するのでダメな人はダメかもだけど(笑)
生と死についても深く考えられる感じ?読んだあとに3日3晩考えつづければ悟りが開けそう、みたいな(笑)

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◎イメージソング

やさしさに包まれたなら/松田聖子

魔女の宅急便 サントラ音楽集魔女の宅急便 サントラ音楽集
サントラ

by G-Tools

「魔女宅!?」って思った人もいるでしょう(笑) そうなんです、この前ふと思ったわたし的アナンのイメージソングは「やさしさに包まれたなら」!!
じゃユーミンのアルバム載せりゃーいいじゃんって思うじゃないですかー、
でもやっぱこの曲っつったら魔女宅でしょう(笑)
(余談ですが「海の見える街」も最強。やばい。タッタータッタータッタータララーのメロディーは神、なんですかあの軽やかさ)
でも結構あってると思うなー、歌詞はそうでもないんだけど・・・
メロディーの軽やかな感じが森の島での楽しい生活のイメージ。 サビが秀逸。ていうかよく歌詞聞くとめっちゃいいこと言ってんだよね、さすがユーミン・・・。

「やさしい気持で目覚めた朝は おとなになっても 奇蹟はおこるよ」
「やさしさに包まれたなら きっと 目にうつる全てのことは メッセージ」

最強。魔女宅最強。(←主旨と違う(笑))

もくまおう/Cocco

ベスト+裏ベスト+未発表曲集ベスト+裏ベスト+未発表曲集
こっこ 根岸孝旨 成田忍

by G-Tools

わたしの大好きなcoccoからも一曲。
イントロの可愛らしい感じ、サビへの盛り上がりとそこの歌詞がなんとも「夢の島」っぽい。

「ゆらり揺られるような淡い蒼 あの眠れる海を」
↑ここがサビ。「眠れる海」=リュウの眠る海っていう解釈(笑)
「わたしが見たかったのは肩越しに見える未来 変わっていく私を笑ってもいい」
↑わたしの考えとしてはこの辺ナガレの独白(笑)
アナンの未来のために、自分からアナンと離れようとするところらへんね!

「あなたを縛っていた 全て解いて気付いた
溢れて止まらないのは長い長い夜の祈り 譲れない光はこの手に在るよ」

↑この辺最高潮。
「長い長い夜の祈り」=「夢の島」でのアナンとの別れの夜!「譲れない光」=アナン・・・!と、わたしのテンションは上がり放(笑)


もー、ね!たまらん!曲自体もほんとに良いので興味があったらぜひとも聞いていただきたい。
coccoっていうと強烈で過激なイメージがあると思うんですが、いい意味でイメージ変わりますよ^^


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